【くじらコラム#42】「防災の日」に思いを馳せて
2025年8月31日
9月1日は「防災の日」です。
今から102年前の1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が発生しました。関東大震災では、当時の都市部に木造建築が多かったことから、東京・横浜を中心に大規模な延焼が発生しました。震災が昼食時に起きたことで火元が多く、死者の約9割が火災によるものだったとされています。
また、1959年(昭和34年)9月26日に発生した伊勢湾台風でも多数の方が犠牲になられました。

少し前のことになりますが、6月21日に当マンションで防災訓練を実施しました。
住民の皆さんに多くご参加いただき、災害への備えについて考える良い機会となったのではないでしょうか。 あれから2か月以上が経ちました。この間、大津波に関する予言が一部で話題になったり、遠い国での地震による津波警報が発令されたり、九州や能登では大雨と洪水被害もありました。こうしたニュースを見ると、日本が自然の美しさだけでなく、厳しさとも向き合わなければならない国であることを改めて感じます。
「天災は忘れたころにやってくる」——この言葉は、東京大学の物理学者・文学者であった寺田寅彦氏によるものです。関東大震災後の研究と経験を通じて、自然災害への警戒と備えの重要性を説いた言葉として、今も広く知られています。
関東大震災から100年以上が経ち、社会は大きく進化しました。しかし、首都直下地震や南海トラフ地震など、私たちが直面するリスクは依然として高まっていると言われています。過去の教訓を活かし、個人・家庭・地域が一体となって減災意識を高めることが、命を守る第一歩です。
皆さんは、「在宅避難」という言葉をご存知でしょうか?「在宅避難」とは、災害が発生した際に避難所へ移動せず、自宅で避難生活を送ることを指します。これは、家が安全で居住可能な状態である場合に選択される避難方法となります。中央区では在宅避難が推奨されており、そして、パークタワー晴海でも、災害時には「在宅避難」対応になると想定されています。ただ、選択肢のひとつとして非常に有効ですが、事前の備えと判断力が不可欠となります。そのため、災害への備えは、とても重要な問題意識であり、対策・施策でもあります。
それは、以下の通りです。
★災害への具体的な備え
1.ライフライン停止への備え
・ 飲料水・生活用水(1人1日3L×3日分以上)
・非常食(火を使わずに食べられるもの)
・ 簡易トイレ、懐中電灯、モバイルバッテリー
※備蓄品リストは、東京都防災ホームページをご参照ください。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kyojyo/1001855/1030036.html
2.エレベーター停止時の対応
・高層階では階段移動が必要になるため、最低限の荷物をリュックにまとめておく
・体力的な負担を考慮し、避難計画を家族で共有
3.避難経路と安全確認
・非常階段や避難場所の事前確認
・消火器の位置や使い方の把握
4.社会的弱者・ペットへの配慮
・高齢者や乳幼児向けの介護用品、ベビーフード、オムツなどの備蓄
・ペット用のフード、トイレ用品、キャリーケースの準備
東京都では、災害発生から最低3日間分、できる限り1週間分の備蓄が推奨されています。
当マンションでは保存水、非常食、簡易トイレ等、一定の備蓄がありますが、大規模災害発生時には役員や防災ボランティアメンバーも被災者となり、備蓄品のスムーズな配布が可能となるとは限りません。
各ご家庭でも必要とされる物品の備蓄をお願いいたします。

★住民同士の連携と情報共有
災害時には、住民同士の助け合いが何よりも重要です。LINEグループや掲示板などを活用し、連絡手段を確保しておくことで、迅速な状況把握と支援が可能になります。
また、当管理組合では、防災計画の一環として、定期的な防災訓練やライフラインのための備蓄状況の確認を実施し、関連情報の発信にも努めています。こうした取り組みを通じて、マンション全体での防災力を高めていければと考えています。
夏休みももう終わり、子供たちもいつもの学校生活に戻っていきます。そして、災害は地震だけではありません。秋といえば台風の季節でもあります。
今一度、家族みんなで、防災について話し合ってみませんか? 集合場所や連絡方法、非常持ち出し品、そして役割分担などを改めて確認しておくことで、いざというときの安心につながるのではないでしょうか。