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【くじらコラム#41】晴海橋梁、遊歩道化へ——空と海と緑に包まれる、晴海の新たな風景へ

晴海の空に広がる青、隅田川の水面にきらめく光、そして街を彩る緑の潤い——そんな自然と都市が調和するこの場所に、またひとつ新しい魅力が加わります。かつて貨物鉄道の要として活躍していた「晴海橋梁」が、遊歩道として生まれ変わるのです。歴史ある橋梁が、地域の憩いの場として再び息を吹き返すこの大プロジェクトは、晴海や豊洲にお住まいの皆さまだけではなく、この地を訪れる人たちにとっても、大きな価値をもたらすものでしょう。

パークタワー晴海と晴海橋梁

 

晴海橋梁は、昭和32年に供用が開始された東京都港湾局の臨港鉄道「晴海線」の一部として建設された鉄道橋で、平成元年までディーゼル機関車が走っていました。晴海線は、越中島駅と豊洲ふ頭を結ぶ深川線が開通したのち、深川線から分岐する形で晴海ふ頭まで延伸された路線です。昭和の高度経済成長期に東京港へ物資を運ぶ重要な物流インフラとして活躍し新聞巻取紙や輸入穀物、鋼材などを輸送していました。

構造面でも非常に貴重で、主径間には日本初の全溶接構造による鋼ローゼ橋(アーチ橋の一種)が採用されており、鉄道橋梁技術の進化を象徴する存在です。設計は名設計家・田島二郎氏、製作は石川島工業、架設は東鉄工業が担当しました。この橋は、日本の鉄道橋梁史に残る名橋として、専門家からも高く評価されています。

 

 

 水を堰き止めて工事が実施されました (令和4年7月)

 

平成元年に晴海線が廃止された後、橋は長らく使われずに残されていましたが、地域住民の声や、東京湾岸の再開発に伴い、歴史的価値を尊重した形で遊歩道として再生されることになり、令和3年から工事が開始されました。

 

 

 

 ライトアップ用照明も設置されています

 

 

 

遊歩道化によって、晴海橋梁は隅田川の水辺を歩いて楽しめる開放的な空間へと変貌します。橋の上から望む空は広く、川面を渡る風は心地よく、周囲の緑は季節ごとに表情を変えながら、訪れる人々をやさしく包み込みます。朝のウォーキング、夕暮れの散歩、休日の家族とのひととき——日常の中に、自然とつながる時間が生まれ、心に余白をもたらしてくれるでしょう。

 

 

 

接続部には桜の木が保存され春のお花見が楽しみです。完成時はウッドデッキ仕上げに。

 

パークタワー晴海のシンボルである「くじら」は、広い海を自由に泳ぐ存在。そのイメージは、晴海という街のあり方そのものを象徴しています。空と海と緑に囲まれたこの街で、くじらのように自由に、のびやかに暮らす——そんなライフスタイルを体現する場所として、晴海橋梁の遊歩道化は、まさにこの街の未来を象徴するプロジェクトです。

 

晴海橋梁の遊歩道化は、パークタワー晴海に住まう方々だけではなく、地域住民の皆さまの暮らしに、さらなる彩りと価値をもたらします。晴海の街に、新しい風景がもうすぐやってくるのです。

 

 

 完成イメージ図(東京都港湾局発表資料より)